萱葺きの城(15)
トゥルルルルル・・・・・・。 電子音のベルは、どんなに小さな音量にしていてもカンにさわる。 ロザリアは目覚し時計に手を伸ばす。 手探りで止めようとした。 だが指先で探ったベルのスイッチは、オフになっているよ… 萱葺きの城(15) の続きを読む
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トゥルルルルル・・・・・・。 電子音のベルは、どんなに小さな音量にしていてもカンにさわる。 ロザリアは目覚し時計に手を伸ばす。 手探りで止めようとした。 だが指先で探ったベルのスイッチは、オフになっているよ… 萱葺きの城(15) の続きを読む
夜更けて、少し冷え始めたか。 聖殿正面の入り口で、オスカーは襟元を合わせた。 ロザリアに知らせた事実の大きさは、17才の少女の心の許容量を超える。 十分わかっていてあえて伝えたからには、自分にはその衝撃を共… 萱葺きの城(14) の続きを読む
白い回廊に降り注ぐ月の光。 青白い顔のオリヴィエが立ち尽くす。 「いいの?」 からかうような挑発的な金の瞳。 こんなことは今までにも何度かあったことである。 心に闇を持つ何人かの女性が、ひとときオリヴィエのかりそめの恋の… 萱葺きの城(13) の続きを読む
気がつくと辺りはすっかり暗かった。 どうやらうたた寝をしてしまったらしい。 ロザリアは慌てて立ちあがる。 ゴツンと膝をぶつけてしまった。 所狭しと積み上げられた衣装箱。 そのわずかの隙間に、こっそり隠れてい… 萱葺きの城(12) の続きを読む
週末の視察は、1週間の最後の予定。 これが終ればとりあえず解放される。 女王候補ロザリアにとって、ほっとできる時間の始まりのはずであった。 けれど彼女の顔色は冴えない。 ほうっと小さなため息を漏らし、王立研… 萱葺きの城(11) の続きを読む
風が渡って行く。 息も凍るほどの冷たい風。 それが聖地にあっては忘れがちの季節を、思い出させてくれる。 冬枯れの木立が立ち並び、空は鉛色に暗かった。 ロザリアが寄りたいと言ったのは、この高台の地だった。 生… 萱葺きの城(10) の続きを読む
ドドドドド・・・。 地響きと土煙り。 各馬はそれぞれ、自分の最も得意とするポジションを一刻も早くとろうとする。 重戦車のような勢いで、シュプリーム号は駆ける。 斜めに各馬たちを追い越してゆくには、後続の馬と… 萱葺きの城(9) の続きを読む
王立競馬場のロイヤルボックスは、ロザリアにとって初めて足を踏み入れる場所だった。 彼女の父の持っているボックスシートも、馬主専用のそれなりに豪華な仕様のものであったが、このロイヤルボックスとでは比較にならな… 萱葺きの城(8) の続きを読む
「それではオリヴィエさま、よろしくお願いいたしますわ。」 午後一番で育成の依頼に来たロザリアが、いつものように綺麗なお辞儀をして退室した。 業務用の笑顔で見送ったオリヴィエは、ドアが閉まると同時に眉間にしわ… 萱葺きの城(7) の続きを読む
「ねえ、やっぱりレースに出てみたいわよね・・・。」 今週になって何度目かの同じ問を、ロザリアは投げかけた。 シュプリーム号は不思議そうに首をかしげて、彼女を見つめ返している。 すっかり彼女を信頼しきった彼の無垢な瞳を見て… 萱葺きの城(6) の続きを読む