萱葺きの城(5)
「あのねえ、オスカー。 それは十分、手を出したって言うんだよ。」 ほとほとあきれ果てたと、オリヴィエが目を閉じてため息をつく。 「アンタときたら・・・・。」 オスカーの話した今朝の出来事は、いかにも彼らしい失敗であるよう… 萱葺きの城(5) の続きを読む
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「あのねえ、オスカー。 それは十分、手を出したって言うんだよ。」 ほとほとあきれ果てたと、オリヴィエが目を閉じてため息をつく。 「アンタときたら・・・・。」 オスカーの話した今朝の出来事は、いかにも彼らしい失敗であるよう… 萱葺きの城(5) の続きを読む
昨夜深酒をしすぎたらしい。 今朝の目覚めは、あまり心地よいものではなかった。 それでも長年の習いで、オスカーは早朝から筋力トレーニングのメニューをこなした。 一汗かいた後で、空を見上げると抜けるように高い。… 萱葺きの城(4) の続きを読む
休日の朝は静かなものだ。 日頃の疲れを癒すため朝寝を決め込む輩には、是非ともそうあって欲しいもの。 ここ聖地でもそれは例外ではない。 つい先だって始まったばかりの女王試験のおかげで常にも増して執務量の増えた守護聖たちには… 萱葺きの城(3) の続きを読む
「いかがでございましたか。 お嬢さま。」 乗馬用のステッキと帽子を受け取ったロザリアの乳母が、続けて上着を脱がせにかかりながら優しい声で問いかける。 彼女が手塩にかけたカタルヘナ家のお姫さまは、全く申し分のない貴族の令嬢… 萱葺きの城(2) の続きを読む
カッと、大きな後ろ蹴り。 優雅に身体をしならせて、栗毛の牝馬が後背の牡馬を袖にした。 それでも牡馬の方はまだ未練たっぷりで、うろうろと彼女を遠巻きに回る。 うかがうような彼の視線。 けれど彼女は一顧だにしない。 本当に、… 萱葺きの城(1) の続きを読む
うららかな陽光が優しい早春の聖地。 新女王の即位により安定した宇宙の中心は、この上もなく平穏であった。 それは前女王の献身の結果で、滅びかけた星々の大移動を成し遂げた彼女は、その身の力を使い果たして静かにこの地を去った。… 或る恋の話 の続きを読む
砂の舞う音がする。 さらさらと、きめの細かい黄色の砂。 夜更けて気温がぐんと下がると、何もない砂の原に風が笑う。 軍用テントのシュラフの中で、何度も何度も繰り返し寝返りを打つ。 今夜も、睡魔はなかなか訪れて… LOVE ~DESTENY~ の続きを読む
空と海との際が白み、ついでばら色が続く。 ひんやりと湿った朝の空気が、岩屋にこもるリュミエールに別れの時を知らせた。 しっかりと腕に抱いた愛しいロザリアを、もう一度抱きなおす。 艶のある長い髪に顔を埋めて、苦しげ… 夜曲(12) の続きを読む
潮の香りのする風が、頬を撫でてゆく。 もうすっかり肌寒い季節になっているというのに、まるでロザリアを守るように、風は温かく優しい。 銀の髪の青年に導かれ、黙って従うのはこれで二度目であった。 違うのは向かう先。 … 夜曲(11) の続きを読む
ひゅるりと冷たい風が吹き抜ける。 ふるりと小さく身震いをして、ロザリアはバルコニーへ続く窓を閉めた。 ガラス越しの木々の葉は、いつの間にかすっかり色づいて、その向こうに広がる海も、夏の穏やかな顔を消している。 弱… 夜曲(10) の続きを読む