Eine Rückkehr ~帰郷~ (15)
翌日、オリヴィエがホテルを出たのは、もうそろそろ陽も傾こうかという頃だった。 昨晩、威勢の良いことを言ってはみたものの、いざとなるとやはり怖い。 自分の目で確かめることが、オリヴィエには恐ろしかった。 あれから三年。 オ… Eine Rückkehr ~帰郷~ (15) の続きを読む
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翌日、オリヴィエがホテルを出たのは、もうそろそろ陽も傾こうかという頃だった。 昨晩、威勢の良いことを言ってはみたものの、いざとなるとやはり怖い。 自分の目で確かめることが、オリヴィエには恐ろしかった。 あれから三年。 オ… Eine Rückkehr ~帰郷~ (15) の続きを読む
浅い春。 辺境の惑星でも、ようやく名残の雪が融け始めた頃。 一人の青年が、首都の空港に降り立った。 金色の長い髪にサングラス。 白い革のコートを、袖も通さずにひっかけただけの長身は垢抜けて、なんでもない所作の一つ一つが華… Eine Rückkehr ~帰郷~ (14) の続きを読む
午後の補佐官執務室。 ばさばさと音を立てて、至急扱いの書類が散らばった。 凍りついた表情の補佐官が、ようやく口にする。 「今、なんとおっしゃって?」 痛ましげにその様子を見つめるのは、金の髪をした首座の守護聖。 けれど彼… Eine Rückkehr ~帰郷~ (13) の続きを読む
一面の雪原。 ぽつぽつと家らしい建物が散在する他、何もない。 だだっ広い雪の原が、シャトルのタラップに立つ、二人の目の前にあった。 白一色の世界は、美しいと言うよりも、むしろ寂しい印象であった。 あまりに何もない。 いや… Eine Rückkehr ~帰郷~ (12) の続きを読む
それは突然だった。 身体に力が入らない。 自分の身体がまるで別物になったような、不思議な感覚。 夜中、自分の身に起きた異変に、オリヴィエは声を上げた。 「なんなんだ、これは!」 そして悟った。 来たのだと。 サクリアの尽… Eine Rückkehr ~帰郷~ (11) の続きを読む
休日の朝。 夜も明けきらぬ早朝に、ロザリアは目を覚ます。 生家から連れてきた愛馬が、朝駆けを楽しみに待っているはずだった。 それは彼女の方でも同じで、女王候補時代など遊んでいるようなものだったと思える今の多忙な生活に、早… Eine Rückkehr ~帰郷~ (10) の続きを読む
星の綺麗な夜だった。 まるで空までもが、新女王の即位を祝っているかのように、惜しげもなく星は煌き輝いている。 見上げればあの夜と同じ、乳白色の帯が空を横切って、小さな星屑のかけらは今にもこぼれんばかり。 「ったく、これじ… Eine Rückkehr ~帰郷~ (9) の続きを読む
次期女王が決まった。 金色の髪をしたまだあどけなさの残る少女に、女王は自らの玉座を明け渡す。 ごく質素な即位の式典があって、その後すぐに新女王は滅びかけた宇宙の移転を軽々とこなす。 すべての命を抱きしめて、新しい女王はに… Eine Rückkehr ~帰郷~ (8) の続きを読む
しっとりした闇の覆う聖地。 女王のお膝下でもあり、普段不行状を咎められる者も、さすがにここでの無遠慮は慎むようで、しんとした静寂と穏やかな闇が、いつも変わらず心地よい。 私邸を出たオリヴィエが向かうのは、女王候補の住まう… Eine Rückkehr ~帰郷~ (7) の続きを読む
「フェリシア、どうも良くないみたいだな。」 ブランディ入りの紅茶の湯気を眺めながら、そう口にしたのは炎の守護聖オスカーである。 女王試験も終盤にさしかかり、そろそろ玉座の行方も見え始めようという頃。 それまで圧倒的に優勢… Eine Rückkehr ~帰郷~ (6) の続きを読む