萱葺きの城(20)
庭先の物音。 辺りを憚る小さな悲鳴。 オリヴィエの胸が高鳴る。 ばたんと、両開きの窓を開けた。 暗がりにうずくまる小さな人影。 胸の鼓動が速くなる。 間違えるはずなどない。 あれは・・・! 声をかけることさえ、オリヴィエ… 萱葺きの城(20) の続きを読む
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庭先の物音。 辺りを憚る小さな悲鳴。 オリヴィエの胸が高鳴る。 ばたんと、両開きの窓を開けた。 暗がりにうずくまる小さな人影。 胸の鼓動が速くなる。 間違えるはずなどない。 あれは・・・! 声をかけることさえ、オリヴィエ… 萱葺きの城(20) の続きを読む
聖殿大広間。 女王の即位の式典はここで行われる。 その存在を多くの者が忘れ去るほどに滅多に開かぬこの部屋は、千人は楽に収容できる広さと、なによりも許す限りの豪奢な造りを誇る。 高い天井はゆるいカーブを描いた… 萱葺きの城(19) の続きを読む
許して欲しい。 そう言ったオリヴィエの口元を、ロザリアは見つめる。 許す? 一体何を。 心の城に誰一人いれず、たった一人で住まう心細さは、多分ロザリアが誰よりも知っている。 もしシュプリーム号なくば、今のよ… 萱葺きの城(18) の続きを読む
どうしてこんなに腹が立つのだろう。 聖殿を後にしたロザリアは、そのまま自分の部屋へ帰る気がしなかった。 気分が波立っている。 こんな時彼女の気分を静めてくれたシュプリーム号は、もういない。 苛立つ気分のまま、彼女の足は自… 萱葺きの城(17) の続きを読む
おそらくこれが、最後の定期審査になるだろう。 女王試験に関わった総ての者が、口にこそ出さないがそう思っていた。 月に一度の定期審査の日であったが、ここ最近では審査する必要もないほどにロザリアの圧倒的な優勢が… 萱葺きの城(16) の続きを読む
トゥルルルルル・・・・・・。 電子音のベルは、どんなに小さな音量にしていてもカンにさわる。 ロザリアは目覚し時計に手を伸ばす。 手探りで止めようとした。 だが指先で探ったベルのスイッチは、オフになっているよ… 萱葺きの城(15) の続きを読む
夜更けて、少し冷え始めたか。 聖殿正面の入り口で、オスカーは襟元を合わせた。 ロザリアに知らせた事実の大きさは、17才の少女の心の許容量を超える。 十分わかっていてあえて伝えたからには、自分にはその衝撃を共… 萱葺きの城(14) の続きを読む
白い回廊に降り注ぐ月の光。 青白い顔のオリヴィエが立ち尽くす。 「いいの?」 からかうような挑発的な金の瞳。 こんなことは今までにも何度かあったことである。 心に闇を持つ何人かの女性が、ひとときオリヴィエのかりそめの恋の… 萱葺きの城(13) の続きを読む
気がつくと辺りはすっかり暗かった。 どうやらうたた寝をしてしまったらしい。 ロザリアは慌てて立ちあがる。 ゴツンと膝をぶつけてしまった。 所狭しと積み上げられた衣装箱。 そのわずかの隙間に、こっそり隠れてい… 萱葺きの城(12) の続きを読む
週末の視察は、1週間の最後の予定。 これが終ればとりあえず解放される。 女王候補ロザリアにとって、ほっとできる時間の始まりのはずであった。 けれど彼女の顔色は冴えない。 ほうっと小さなため息を漏らし、王立研… 萱葺きの城(11) の続きを読む