萱葺きの城(10)
風が渡って行く。 息も凍るほどの冷たい風。 それが聖地にあっては忘れがちの季節を、思い出させてくれる。 冬枯れの木立が立ち並び、空は鉛色に暗かった。 ロザリアが寄りたいと言ったのは、この高台の地だった。 生… 萱葺きの城(10) の続きを読む
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風が渡って行く。 息も凍るほどの冷たい風。 それが聖地にあっては忘れがちの季節を、思い出させてくれる。 冬枯れの木立が立ち並び、空は鉛色に暗かった。 ロザリアが寄りたいと言ったのは、この高台の地だった。 生… 萱葺きの城(10) の続きを読む
ドドドドド・・・。 地響きと土煙り。 各馬はそれぞれ、自分の最も得意とするポジションを一刻も早くとろうとする。 重戦車のような勢いで、シュプリーム号は駆ける。 斜めに各馬たちを追い越してゆくには、後続の馬と… 萱葺きの城(9) の続きを読む
王立競馬場のロイヤルボックスは、ロザリアにとって初めて足を踏み入れる場所だった。 彼女の父の持っているボックスシートも、馬主専用のそれなりに豪華な仕様のものであったが、このロイヤルボックスとでは比較にならな… 萱葺きの城(8) の続きを読む
「それではオリヴィエさま、よろしくお願いいたしますわ。」 午後一番で育成の依頼に来たロザリアが、いつものように綺麗なお辞儀をして退室した。 業務用の笑顔で見送ったオリヴィエは、ドアが閉まると同時に眉間にしわ… 萱葺きの城(7) の続きを読む
「ねえ、やっぱりレースに出てみたいわよね・・・。」 今週になって何度目かの同じ問を、ロザリアは投げかけた。 シュプリーム号は不思議そうに首をかしげて、彼女を見つめ返している。 すっかり彼女を信頼しきった彼の無垢な瞳を見て… 萱葺きの城(6) の続きを読む
「あのねえ、オスカー。 それは十分、手を出したって言うんだよ。」 ほとほとあきれ果てたと、オリヴィエが目を閉じてため息をつく。 「アンタときたら・・・・。」 オスカーの話した今朝の出来事は、いかにも彼らしい失敗であるよう… 萱葺きの城(5) の続きを読む
昨夜深酒をしすぎたらしい。 今朝の目覚めは、あまり心地よいものではなかった。 それでも長年の習いで、オスカーは早朝から筋力トレーニングのメニューをこなした。 一汗かいた後で、空を見上げると抜けるように高い。… 萱葺きの城(4) の続きを読む
休日の朝は静かなものだ。 日頃の疲れを癒すため朝寝を決め込む輩には、是非ともそうあって欲しいもの。 ここ聖地でもそれは例外ではない。 つい先だって始まったばかりの女王試験のおかげで常にも増して執務量の増えた守護聖たちには… 萱葺きの城(3) の続きを読む
「いかがでございましたか。 お嬢さま。」 乗馬用のステッキと帽子を受け取ったロザリアの乳母が、続けて上着を脱がせにかかりながら優しい声で問いかける。 彼女が手塩にかけたカタルヘナ家のお姫さまは、全く申し分のない貴族の令嬢… 萱葺きの城(2) の続きを読む
カッと、大きな後ろ蹴り。 優雅に身体をしならせて、栗毛の牝馬が後背の牡馬を袖にした。 それでも牡馬の方はまだ未練たっぷりで、うろうろと彼女を遠巻きに回る。 うかがうような彼の視線。 けれど彼女は一顧だにしない。 本当に、… 萱葺きの城(1) の続きを読む