萱葺きの城(6)

「ねえ、やっぱりレースに出てみたいわよね・・・。」 今週になって何度目かの同じ問を、ロザリアは投げかけた。 シュプリーム号は不思議そうに首をかしげて、彼女を見つめ返している。 すっかり彼女を信頼しきった彼の無垢な瞳を見て… 萱葺きの城(6) の続きを読む

萱葺きの城(5)

「あのねえ、オスカー。 それは十分、手を出したって言うんだよ。」 ほとほとあきれ果てたと、オリヴィエが目を閉じてため息をつく。 「アンタときたら・・・・。」 オスカーの話した今朝の出来事は、いかにも彼らしい失敗であるよう… 萱葺きの城(5) の続きを読む

萱葺きの城(3)

休日の朝は静かなものだ。 日頃の疲れを癒すため朝寝を決め込む輩には、是非ともそうあって欲しいもの。 ここ聖地でもそれは例外ではない。 つい先だって始まったばかりの女王試験のおかげで常にも増して執務量の増えた守護聖たちには… 萱葺きの城(3) の続きを読む

萱葺きの城(2)

「いかがでございましたか。 お嬢さま。」 乗馬用のステッキと帽子を受け取ったロザリアの乳母が、続けて上着を脱がせにかかりながら優しい声で問いかける。 彼女が手塩にかけたカタルヘナ家のお姫さまは、全く申し分のない貴族の令嬢… 萱葺きの城(2) の続きを読む

萱葺きの城(1)

カッと、大きな後ろ蹴り。 優雅に身体をしならせて、栗毛の牝馬が後背の牡馬を袖にした。 それでも牡馬の方はまだ未練たっぷりで、うろうろと彼女を遠巻きに回る。 うかがうような彼の視線。 けれど彼女は一顧だにしない。 本当に、… 萱葺きの城(1) の続きを読む