金と銀(13)
「カイン、参りました。」 ドア越しに声をかけた。 「開いている。」 返事があって、そこでカインは一呼吸おいた。 覚悟を決めてドアを開く。 暖炉の傍、返事の主は背を向けて、過ぎるほど静かにカインを迎えた。 「言訳を聞こう。… 金と銀(13) の続きを読む
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「カイン、参りました。」 ドア越しに声をかけた。 「開いている。」 返事があって、そこでカインは一呼吸おいた。 覚悟を決めてドアを開く。 暖炉の傍、返事の主は背を向けて、過ぎるほど静かにカインを迎えた。 「言訳を聞こう。… 金と銀(13) の続きを読む
似ていない。 カインはそう思った。 主君レヴィアスがこの少女に執着する理由は、亡き最愛の恋人に似ているからだという。 レヴィアスが似ているというものを、エリス本人を直に見た事もない自分が似ていないというのもおかしな話だと… 金と銀(12) の続きを読む
「じゃ、俺はここからしばらく別行動をさせてもらう。 次の町で会おう。」 白銀の環を持つ惑星に着いた時のこと。 いつものようにアリオスが言った。 時々彼はこうしていなくなる。 「ええ、わかったわ。 待ってるね、アリオス。」… 金と銀(11) の続きを読む
イライラした。 自分とこの少女のなんと違う事か。 奪われた継承権を取り戻そうと躍起になる自分と、重荷でしかない王位を押しつけられたアンジェリーク。 「嫌だったら、受けなきゃ良いだろ? 他になりたいヤツがいるだろうぜ。」 … 金と銀(10) の続きを読む
幽閉された女王を救出すること。 これが目下、アンジェリークの最優先課題であった。 そのために守護聖達を救出し、そして聖殿を開く鍵を手に入れた。 だが今度は彼女の頼み、「蒼のエリシア」が壊れてしまった。 これを直さねば、先… 金と銀(9) の続きを読む
「綺麗な姿をいただきましたね。 ふ・・ん。 悪くない。」 鏡の中にあるのは、金色の髪の美貌。 光の守護聖ジュリアスの姿であった。 「別に外見などどうでも良いと思っていましたが、こうしてみるとやはり綺麗な身体に越した事はな… 金と銀(8) の続きを読む
「アンジェリーク・・・・・。 おまえか。」 少しの癖もない美しい発音だった。 語尾の子音に到るまで、まったくもって完璧である。 豪奢な金の髪。 伸ばした背筋、優雅な身のこなし。 見るからにただの人ではないとわかる。 威厳… 金と銀(7) の続きを読む
「あっつぅ・・・・。」 まぶしげに目を細め、少女は恨めしそうに空を見上げた。 じりじりじりじり・・・・。 本当にそんな音さえしそうな、灼熱の日の光。 「まだ、とうぶん先ね。」 ため息混じりの声は、あきらかに疲れ果てていた… 金と銀(6) の続きを読む
石畳の大通りを、粗末な荷馬車がゆっくりと進んでいた。 木製の車輪は、朽ちかけたものらしい。 徒歩とさしてかわらぬ速度だというのに、車輪が回る度、ぎしぎしと嫌な音をさせている。 だがそれだけなら、さして珍しくもないものだっ… 金と銀(5) の続きを読む
「おかしい・・・・・。」 しばらく前から、カーフェイは思っていた。 知らぬ間に、左親指のつめを噛んでいる。 皇宮の奥深く。 敵味方入り乱れての、混戦状態であった。 ぼんやりと突っ立ったままの指揮官カーフェイを、敵が放って… 金と銀(4) の続きを読む