Shadow ~In Perfect Unison~(14)
白い布のかけられたイーゼル。 ずらりと並んだそれが、まず目に飛び込んだ。 老婦人が丁寧に一枚づつ取り去ってゆく。 ごわごわとした木綿の触れ合う音がして、後に現れたのは。 息をすることをロザリアは忘れた。 12枚の肖像画。… Shadow ~In Perfect Unison~(14) の続きを読む
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白い布のかけられたイーゼル。 ずらりと並んだそれが、まず目に飛び込んだ。 老婦人が丁寧に一枚づつ取り去ってゆく。 ごわごわとした木綿の触れ合う音がして、後に現れたのは。 息をすることをロザリアは忘れた。 12枚の肖像画。… Shadow ~In Perfect Unison~(14) の続きを読む
「ようこそ。 お待ちしていたわ。」 喉にひっかかるようなしゃがれた声が、まずロザリアを出迎えた。 彼女の立つ扉から離れること10数メートルの位置。 突き当たりの窓際に大きな安楽椅子が置いてある。 背もたれに身を預けるでも… Shadow ~In Perfect Unison~(13) の続きを読む
去るものは日々に遠くなる。 苦しみも哀しみもその記憶はやがてだんだんに薄れゆき、それゆえにこそ人は生きてゆけるのだ。 そう教えてくれたのは、確か祖母だったか。 午後の執務室。 とろとろと眠気が襲う。 ぼうっと靄のかかった… Shadow ~In Perfect Unison~(12) の続きを読む
身体がだるい。 昼間は緊張しているせいでさほど辛くも感じないのだが、夜になるとだめだ。 熱っぽい額に手を当てて、ロザリアは目を閉じた。 視神経が疲れている。 ずきずきする頭も重く、食欲もない。 「また今夜も召し上がらない… Shadow ~In Perfect Unison~(11) の続きを読む
くしゅん・・。 ぐずぐずする鼻をハンカチで押さえる。 「大丈夫ですか?」 栗色の髪の少女が心配そうにセイランをのぞき込んでいた。 「ああ、ごめん。 風邪がいつまでも抜けなくってね。」 応えるセイランの声は少しかすれていた… Shadow~In Perfect Unison~(10) の続きを読む
朽ちかけた落ち葉が足元を危うくさせる。 ロザリアはそれにもかまわず、ただ足を動かした。 急いで…。 急いで聖地に帰るのだ。 そこは自分のいるべき場所。 望んできたわけではなかったが、今となっては唯一彼女が落ち着ける場所、… Shadow~In Perfect Unison~(9) の続きを読む
「いいだろう、これで。」 目を上げると、彼女がそこにいた。 身動き一つせず、ずっとこうしていたのか。 気配がしなかった。 彼の気を散らせる物音一つさせないで、ずっと? 濃い青の瞳がようやく笑った。 「終わりましたの?」 … Shadow~In Perfect Unison~(8) の続きを読む
息が凍る。 きんと音のするような冷気が満ち満ちて、それがロザリアの四肢からすべての感覚を失わせていた。 「少し寒いところに行くからね。 そのつもりで。」 あの夜、部屋へ戻ろうとしたロザリアを呼びとめた声。 教官たちの私室… Shadow~In Perfect Unison~(7) の続きを読む
どうしてそんなに不機嫌なのか? どうして? それはロザリアの方こそ言ってやりたいことだった。 どうしてそんなに簡単に、他人の心の奥をのぞくことできるのか。 あなたに関係ないことだわ! そう叫んでやろうと思った。 だがそれ… Shadow~In Perfect Unison~(6) の続きを読む
2度目の機会は、確かにやってきた。 思いの他に手間取ってしまった明日の準備。 それを終えたセイランが帰宅して、わずかのワインでとがった神経を休めようとしていた時に。 夜も更けて、すでにあたりはすっかり寝静まっていた。 白… Shadow~In Perfect Unison~(5) の続きを読む