Valse~Au revoir~ (3)

端の黄ばんだ厚ぼったい紙には、もう遠い昔に滅びた文明の、残した文字が連なっている。 壁画の描き方について扱ったものだが、ところどころにインクがにじんで、文字の判読が難しい。 前後の言葉から、虫食いになったその個所を推測し… Valse~Au revoir~ (3) の続きを読む

Valse~Au revoir~ (2)

完全なる調和に満たされた宇宙は、この上もなく穏やかで、そして美しい。 前女王治世の末期、崩壊しかけたこの世界であれば、今のこの世のなんと夢のようであることか。 それは当代女王の偉大な力の証左であり、すべての民の女王への信… Valse~Au revoir~ (2) の続きを読む

Valse~Au revoir~ (1)

その夜、聖地は穏やかな静けさに包まれていた。 夜が明ければ、現女王は退き、新たに選ばれた女王が立つ。 歓喜と熱狂とを前にして、とりわけ粛々と夜は更けてゆく。 時計の針は、既に午後8時を回っていた。 ちらりと壁の時計を見や… Valse~Au revoir~ (1) の続きを読む